遊覧飛行ーワインとゲームー

都内某所で働くゲームクリエイターのブログ。ゲームやビジネスに関する話題、シリアスゲームの紹介、作成したゲームの公開、ワインに関する記事など徒然なるままに書き記していきます。

エンドコンテンツとは?

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エンドコンテンツ――オンラインゲームやソーシャルゲームにおいて「最果てに位置するコンテンツ」としてよく使われる概念であり、一定のレベリングを達成したユーザーがその先を遊び続けるために存在するコンテンツがその名称で呼ばれることが多い。

エンドコンテンツは長期にわたる安定的なゲーム運営を志向するオンライン / ソーシャルゲームでは必須の存在であり、質が高く中毒性のあるエンドコンテンツをどれだけ提供し続けられるかはユーザーのプレイ継続や開発サイドのデスレース(終わりなき多忙なコンテンツ開発)回避を左右するといっても過言ではない。

だがエンドコンテンツという概念自体は一方では漠然と用いられることも多く、開発・運営サイドで用いられる際にも「エンドコンテンツとは何か」をすり合わせたうえで会話を進めないと議論が平行線をたどることも珍しくない。本稿ではそんなエンドコンテンツに関して、はじめに先人の発言をもとにその意味を整理し、エンドコンテンツが満たすべき要素について提示することを目的としている。

 

先人の発言

エンドコンテンツという概念の意味を整理するにあたって、まずは先人たちがどういう意味でこの単語を用いているのかを見てみることとする。ちなみにエンドコンテンツは英語で End Game Content と言い、英語での用法を見る際にはこの単語の使用例を見ていくこととする。

エンドコンテンツとは、RPGなどのゲームで最高レベルに達した後でも、何度も挑戦し楽しむことの出来るコンテンツのこと。[中略] エンドコンテンツとは、RPGなどのゲームで最高レベルに達した後でも、何度も挑戦し楽しむことが出来るコンテンツを指す。特に繰り返し遊ぶため高難度に設定されていたり、レア装備や素材などがドロップする傾向にある。

Game Lexicon ゲーム大辞典 (http://game-lexicon.jp/)

エンドコンテンツとは、最大レベルに達することでプレイ可能になるゲームコンテンツのことを指し、主にあらかじめ構築されたメインのストーリーラインを完遂した後のコンテンツであることが多い。要するに、エンドコンテンツとは繰り返し遊べるコンテンツを通じて最大レベルのプレイヤーに成長の感覚を提供する手段のことである。

Guild Wars 2 Official Wiki (https://wiki.guildwars2.com/wiki/Main_Page)

エンドコンテンツとは、ゲームにおいてキャラクターがレベルキャップに到達し、もはやレベリングに主眼がおかれなくなった段階のことを指す。この段階に到達する前のゲームプレイが経験値をためることや新しいスキルを覚えることを主目的としている一方で、エンドコンテンツはプレイヤーにとって洗練された「最終的な目標地点」を意味する。その目標地点においては、キャラクターは十分に成長しきっており、かつゲームの中で最も大きなチャレンジに挑める状態になっている。

Wowpedia (http://wow.gamepedia.com/Portal:Main)

 

導きだされる共通要素

上記の引用から導かれる、エンドコンテンツの要素とは以下の通りである。それらは完結に述べると「レベリング後の遊び」「反復可能性」「高難易度」という言葉に集約される。

  1. レベリング後の遊び:最高レベルに達した後の段階 / コンテンツである
  2. 反復可能性:繰り返し遊び続けられるものである
  3. 高難易度:高難易度、ないしはゲーム中で最高レベルの難しさを誇る

つまり、エンドコンテンツとはレベリングが完了してレベルという軸での成長がカンストしたユーザーを対象として、高難易度かつ反復可能な要素を含んだコンテンツのことを指すと言える。上記のうち、1と3はエンドコンテンツという言葉からして容易に想像できる意味だと思われるが、おそらく2番の反復可能性に関しては抜け漏れてしまっていることがある。1回クリアすれば終わりのコンテンツ、ないしは1回挑戦すればクリアできるようなコンテンツはエンドコンテンツとは言えないというわけだ。

また上記の定義からも、エンドコンテンツが必ずしも単なる「強い敵」を意味しているわけではないという点も重要である。もちろん「強い敵」そのものは上記3に含まれるため、他の要素を満たしていればそれは十分エンドコンテンツと呼べるものの、例えばそれが十分反復可能性と高難易度という性質を備えているならば、時間をかけて装備を強化するコンテンツというのも十分エンドコンテンツとみなせると言える。前者を仮に実力を試す「発揮の場としてのエンドコンテンツ」と呼ぶならば、後者は「育成のエンドコンテンツ」と言えるだろう。

 

エンドコンテンツとは?

繰り返しになるが、エンドコンテンツが満たすべき要素は「レベリング後の遊び」「反復可能性」「高難易度」の3点であり、例え高難易度であっても反復可能性に乏しいコンテンツはそこに含まれない。また「発揮の場としてのエンドコンテンツ」と並んで「育成のエンドコンテンツ」というものもエンドコンテンツの括りの中では成立しうる。これらはエンドコンテンツが生まれてきた課題である「ユーザーのプレイ継続」と「制作工数」の兼ね合いを考えればごく自然な結論ではあるものの、今一度自分たちがエンドコンテンツと呼んでいるものが、本当にエンドコンテンツとみなしても問題ないものであるかどうかは自問してみるのもいいかもしれない。