RR(継続率)とは?アプリゲーム分析の専門家が解説

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本記事は「連載 アプリゲームの基本 KPI を分析の専門家が解説 - YuRAN-HIKO」シリーズの第3回です。

今回は、前回・前々回で解説を行った DAU や NUU とも関連が深く、ゲームの運営上も非常に重要な KPI 、継続率を表す RR について見ていきます。主な読者層としては、将来アプリゲームの業界で働きたいと思っている学生や、入社したてでこれから現場に入っていく新入社員の方などです。

基本 KPI の RR とは何か

RR (アールアール: Return Rate もしくは Retention Rate) とは、継続プレイが重要な指標となるアプリゲームに特有の KPI で、ある期間にアクセスしたユーザーが〇日後に再びアクセスした率を表します。

例えば、2016年10月23日にアクセスしたユーザーが 1,000人いたとして、その人たちのうち翌日の10月24日にアクセスしたユーザーが 500人だった場合、RR は 50% (500 ÷ 1,000 = 50%) となります。

一般的な用いられ方としては、ある日 (例えば 2016年10月23日) にインストールした人 (= NUU) を対象にして、その人たちのうち 1日後に再アクセスした率を 1-d RR (ワンデイアールアール: 1 day RR)、2日後に再アクセスした率を 2-d RR、3日後は 3-d RR……という感じで追っていき、どれくらいの人がゲームを継続プレイしてくれているのかであったり、どのタイミングでユーザーが離脱しやすいのかなどを見ていきます。

RR の注意点

上記の通り、RR はゲームのプレイ継続率を示すものとしてよく用いられている指標ですが、必ずしも各ユーザーの継続プレイを表している訳ではありません。

たとえば、ある日の NUU が 1,000 だったとして、その人たちのうち翌日にアクセスした人が 500 人であれば 1-d RR 50%、翌々日にアクセスした人が 300 人であれば 2-d RR 30% となります。この時、2-d RR にカウントされるユーザーはあくまで「インストール翌々日にアクセスした人」であって、インストールの翌日から継続して遊んでいる人も、翌日はアクセスしなかったが 1日あけて翌々日にアクセスした人も等しく 1としてカウントされてます。

なので、RR はユーザーの継続率を示す指標であるといえども、必ずしも個人の継続プレイをダイレクトに表しているものではないことを頭に入れたうえで見ていく必要があるのです。

RR とNUU や DAU との関係

最後に、前回まででお話しした NUU と DAU、それらと RR の関係を見ていきます。

ゲームの運営にあたって、利用者数を表す DAU を増やしていくことが重要であることは前々回で述べた通りですが、この DAU を増やすにあたっては、いかに多くの NUU を獲得できるか、ならびにいかに RR を高めて獲得したユーザーに続けてもらえるかが大事になります。

この双方の KPI が十分でないと、そもそもユーザーを獲得できない、もしくは獲得した先からどんどん離脱を招いているという形になり、DAU はなかなか積みあがっていきません。

RR を高めるためには、そもそもユーザーがどのポイントで、どういった理由で離脱しているのかを特定し、それを1つ1つ良くしていくという地道な完全が求められます。ユーザーの離脱原因を特定するのは非常に難しいですが、RR は健全な長期運営に必須の要素ですし、これを向上させる UX の追及は非常に深いトピックですので、ぜひとも開発・運営に携わっている方はより良い UX の追及と RR の向上を目指していってください。

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