【必読】アプリゲームの継続性を分析する5つのKPI

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本稿では、筆者がアナリストとしての経験から有用だと判断した継続指標5選をまとめた。なお、本記事は「>継続的に収益を上げていくアプリゲームにおいて、ゲームをDLしてくれたユーザーにいかに長く遊び続けてもらうかは非常に重要なポイントだ。本稿では、筆者がアナリストとしての経験から有用だと判断した継続指標5選をまとめた。なお、本記事は「連載 アプリゲームの基本 KPI を分析の専門家が解説 - YuRAN-HIKO」シリーズの一として執筆している。

継続系指標 1. RR:一番押さえるべき継続KPI

RRはある日にゲームを始めたユーザーが、〇日後に何%ログインしたかを示す指標。継続KPIとして一番重要なものが何かと聞かれれば、それは間違いなく RR(Retention Rate)だ。RRはある日にゲームを始めたユーザーが、〇日後に何%ログインしたかを示す指標。D1(1日後)、D3(3日後)、D7(7日後)、D14(14日後)、D30(30日後)、そしてD180(180日後)が特に重要だ。詳しい計算方法などはこちらの記事を参照されたい。

 なぜRRが一番重要な継続指標なのか。それは、ゲーム開始からのユーザーの体験の変化やゲームの進行度の設計と突き合わせて確認ができるからだ。例えば、D1の値が低ければ、チュートリアルなどのFTUE(初期体験)に問題があるのかもしれない。D30の値が低ければ、アウトゲームのサイクルに問題があるのかもしれないなど。原因とセットで仮説を検証し、施策に繋げやすい点からも重要なKPIだと言える。

継続系指標 2. RR変化率:RRとセットでボトルネックを特定

RR変化率はRRの減衰、ないしは増加の程度を表した指標だ。例えばD1のRRが40%、D3のRRが28%だった場合、D1からD3にかけてのRR変化率は0.28 / 0.4 = 70%という計算になる。

RRのどこにボトルネックがあるのかを把握する上で、RRの変化率を見ることは非常に有効だ。例えば、D30のRRが5%しかなく、その低さが課題だったとしよう。しかしこれだけではどこに問題があるか検討が付きづらい。D1の段階で低いのかもしれないし、D14までは良かったがそのあとが悪いのかもしれない。

その際はD1⇒D3、D3⇒D7、D7⇒D14といったように、節目ごとのRR変化率を押さえる。これにより、具体的にどのポイントで継続率に問題があるかを調べることができるようになるのだ。これが、RRとセットでRR変化率を見るべき理由と言える。

継続系指標 3. FQ7:日々の施策による継続効果をはかる

RRはゲームのDLからの継続の歩留まりをはかるKPIとして重要だが、ゲーム全体での時系列での変化が見づらいという欠点もある。その際有用なのがFQ7(Frequency 7)と言われるKPIだ。

FQ7とはある日から遡って過去7日間に7日連続でログインしたユーザーの比率を表すKPIだ。例えば5/16を起点とすると、5/10~5/16の期間のアクティブユーザーを全体とした際、5/10~5/16まで毎日ログインしたユーザーが何割存在するかを表す。

運営型のゲームでは継続的にイベントやキャンペーンを配信してゲームを盛り上げることが多い。その際の盛り上がりの度合いを示すものとして、FQ7はウォッチに値する指標だ。FQ7の盛り上がりが大きいイベントやキャンペーンはユーザーの活性化に繋がっていると言える。一方で、この値が微塵も変化しないイベントは盛り上げの観点で問題があると考えられる。

FQ7を継続的にウォッチすることで、その健康診断をリアルタイムに行うことができるのだ。

継続系指標 4. 7日連続ログインユーザーの翌日継続率

FQ7は日々のイベントやキャンペーンの効果をウォッチする目的では使いやすいが、アップデートの結果など中長期的なトレンドの変化はやや見づらい。そこで有用なのがFQ7ユーザーの翌日継続率だ。これは単純に、7日連続でログインしたユーザーのうち、その次の日も続けてログインした人が何%かを見たものだ。

FQ7ユーザーの翌日継続率のトレンド(7日間移動平均など)を見ることで、あるタイミングでFQ7の「水準」に変化が生まれていることを察知できることがある。変化点が見られたら、その近辺でどういうアップデートが行われたのかを確認してほしい。もしどこかのバージョンアップデートのタイミングでこの値に上昇傾向が見られた場合は、そのアップデートがユーザーの継続に有効に機能したと考えられる。逆に下降傾向にあった場合は継続導線の悪化などが考えられるかもしれない。

このように時系列の変化でゲームの継続性に影響が出たのかどうかを見る上で、このFQ7ユーザーの翌日継続率という指標は非常に有用だ。対象をFQ7ユーザーに絞ることで、よりノイズが少なくクリアに効果を見て取ることができる。

継続系指標 5. 離脱ユーザー数:逆の観点から継続をウォッチ

継続とは逆に、日々のユーザーの離脱数を確認することも重要。障害やアクシデントによる離脱の発生はもちろん、離脱ユーザー数が増えている・減っていることを確認するのもユーザーの継続を見るうえでは重要なポイントになるからだ。

計測方法は単純で、離脱の定義 (最終ログインが〇日前) に合わせて、最終ログイン日が観測日から〇日前であるユーザーをその最終ログイン日ごとに集計すればデイリーの離脱ユーザー数をカウントすることができる。

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