シリアスゲーム。遊びながら学習効果が得られるゲームのことで、教育や啓蒙に有用なツールとして数年前から注目を浴びている概念です。
日本では「Serious Game Japan」や「東京工芸大学芸術学部ゲーム学科」らが中心となって、ゲームの力で社会をよりよくしていくにはどうすればいいか、という試みを模索されています。
ゲームが持っている「熱中」や「ハマる」仕組みを教育や啓蒙に応用し、楽しみながら自身の成長や学習につなげることができれば、これまでの嫌々やらされる「勉強」という概念も少し変わってくるかもしれません。私個人としても、非常に関心が強い分野ではあります。
シリアスゲームの現状と個人的関心
ですが、このシリアスゲーム。海外では企業も巻き込んで活発な活動がなされているものの、日本ではあまり成功例が見つからず、撤退や失敗が多くなっているというのが現状です。まだまだ、どうやればシリアスゲームとしてうまくいくのか。その成功パターンを模索しているといった段階でしょうか。
しかし、現状がいかに厳しいものであれ、シリアスゲームという理念が世の中に大きなインパクトを与え、それを変えていく十分な力となりうると私は考えています。
また、完全なシリアスゲームとまではいかなくとも、ゲームのシステムをうまく応用してユーザーを惹きつけるプロダクトの作成に成功すれば、経済や企業の業績にもプラスの効果が生まれるのは間違いありません。
何らかの方法でゲームの「面白さ」というものを他の分野で応用することができないか……それが、今私の大きな関心の1つです。
シリアスゲームサイトまとめ
そこで今回から、シリアスゲームとしてどのようなものが存在するのか、その紹介を少しづつ進めていこうと思います。
まずは初回ということで、今回は個別のゲームの紹介は行わずに、どういうところでシリアスゲームを見ることができるか、そのサイトをいくつかまとめてみます。次回以降、順次事例の紹介を行っていきたいと考えています。
総合的に多くの事例を掲載
Serious Game Classification : The online classification of Serious Games
医療系シリアスゲーム
http://www.healthgamesresearch.org/
社会活動系シリアスゲーム
日本語でシリアスゲームの事例を紹介
おわりに
今回は初回ということで、まずはシリアスゲームがまとめられているサイトの紹介を行いました。次回以降、個別の事例紹介やシリアスゲームに関する個人的な考えについて記していきたいと思います。
ゲームの力は侮れるものではありません。難問のタンパク質の構造を解明したのは「Foldit」というゲームをプレイしていた一般のゲーマーたちです。
この力を使って、これまでとは違った世界を切り開いていく――このような意欲的な試みに、私自身も何らかの形で貢献できればと考えています。