YuRAN-HIKO

アナリスト兼、日曜歴史家のブログ。ゲーム分析や歴史のトピックが中心。

確証バイアスに気をつけろ!ユーザーテストにおける事例と対策

タイトル画像:インタビューの風景

開発チームのメンバーが、ユーザーテストに積極的に参加するのは素晴らしいことです。結果を資料で受け取るよりも、実際にユーザーがプロダクトを触っている場面を観察して、その場で何が課題なのかを議論する。その重要性は、ゲームのUXについて書かれた『ゲーマーズブレイン』でも述べられています。

ただし、ユーザーテストの参加をもっと実りよいものにするために、ぜひ覚えておいてほしいことがあります。それが「確証バイアスに気をつけろ!」です。

確証バイアスとは?

自分の仮説に合う事例ばかりを探し、自分の仮説に合わない事例を探そうとしない傾向 (『基礎から学ぶ認知心理学』)

ユーザーテストの文脈では、以下のようなものが確証バイアスの例としてあげられます。

  • マーケ部門の人が開発を説得したいがあまり、あらかじめ自分たちが課題だと思っている個所を指摘する意見ばかりを集めてしまう。
  • プロデューサーが予算承認を取りたいがあまり、ユーザーテストを使って「いい意見」ばかりを集めてしまう。
  • ディレクターに対して自分の企画を通したいがあまり、ユーザーテストを使って「その企画を支持する根拠」ばかりを集めてしまう。
  • テストの参加者が自分のイメージと違う人だったからと言って、この人はターゲットではないと思い込んでしまい、その人の意見を聞き流してしまう。

確証バイアスは人間の性

そんなバカバカしい話があるか、と思われる方もいるかもしれませんが、このような事例は意図しなくても簡単に起こり得ます。ユーザーテストに限らず、日常生活のいたるところで、確証バイアスは影を潜めているのです。

ここで重要なのは、確証バイアスが起こってしまうのは、人間がそもそもそういう生き物だからだということです。上の例で挙げたような行動をとってしまった人がいたとしても、その人を非難してはいけません。彼らもある種、すごく人間らしい行動を取っているに過ぎないからです。

確証バイアスを避けるためには

とはいえ、確証バイアスは起こってしまうものだ、と開き直ってしまうのもよくありません。大切なのは、それが人間の性であると理解した上で、どう回避するかを考えることでしょう。

反対意見を意識する

1つは、自分の仮説とは真逆の考えも常に意識しながら、ユーザーテストに臨むことです。これは、ひとりでも努力である程度解決できます。ただし、それにはある程度分析的なトレーニングが必要になるでしょう。あくまで中立的な立場から、リサーチャーやアナリストなど分析の専門家にも同席してもらい、彼らに「フラットに」見てもらうことも効果的でしょう。

悪魔の代弁者を用意する

悪魔の代弁者とは、ディベートなどで多数派にあえて批判や反論をする人、またその役割 (Wikipedia)

あえて、意図的に反対意見を述べる人を議論に加えておくのも、確証バイアスを避ける有効な方法と言われています。その指摘は、バイアスに陥りがちな自分の考えを見つめなおすうえで、大切な示唆を与えてくれます。

様々な意見が出やすい環境を作る

もしくは、議論をする際にさまざまな意見が出やすい環境を作ることも大切と言えます。それは色んなセクションから、さまざまな考えを持った人に参加してもらうというだけではありません。どんなことでも発言しても問題ないと思えるような雰囲気づくり (心理的安全性) も鍵となるでしょう。

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