YuRAN-HIKO

アナリスト兼、日曜歴史家のブログ。ゲーム分析や歴史のトピックが中心。

データアナリストのキャリアと将来性は?

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  • データアナリストである自分の今後のキャリアは大丈夫か。
  • これからデータアナリストとして就職・転職しても大丈夫か。

データアナリストの方や、これからなろうとしている方の中には、このような不安を持っている人も多いと思います。

私は、都内のメガベンチャーでデータアナリストとして働き、マネジャーを経て、現在は分析のディレクターを担当している人間です。上記の悩みに対して、データアナリストのキャリアはどうあるべきかという議論を重ねる中で得られた一つの回答を、この記事では紹介します。

最後まで読んでいただくことで、データアナリストとしてどうキャリアを伸ばしていければよいかや、普段の業務の中で何を意識すれば成長に繋げられるか、そのヒントが得られるようなものになるよう執筆しました。

ちなみに、ここでの内容は私の一個人としての意見です。所属機関の方針や思想とは一切関係がありませんので、ご了承ください。

データアナリストの将来性は?

結論から言いましょう。データアナリストの将来は決して暗くないです。もしくは、仮にデータアナリストという職自体が廃れていったとしても、その業務を通じて得られた経験は、ご自身のキャリアを形成する上で強固な基盤となるはずです。

それゆえに、私は兼務という形でも良いので、キャリアの早い段階でデータアナリストの経験を積んだ方が良いと考えてさえいます。

しかし、ひとつだけ条件として、データアナリストのどういう経験が今後も武器になるのかをしっかりと理解する必要があります。では、それはどういったものでしょうか。キーワードは「VUCA」と「ポータブルスキル」です。

VUCAとポータブルスキル

現在はVUCAな時代と呼ばれています。VUCAという単語については、以前「VUCAな時代だからこそ大切にしたい人文学の素養」という記事でも触れました。ここでは「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」という意味で捉えてください。

VUCAな時代において重要なのは、世の中が大きく変化したり、働く場所や環境が変化しても腐りにくいスキルを身につけることが重要とされています。GLOBISは、そんな時代で優先して身につけておきたいスキルのひとつとして、ポータブルスキルをあげています。

同校の定義によれば、ポータブルスキルとは「持ち運び可能」なスキルのことで、①思考力(論理的思考力、仮説思考)②課題解決スキル(課題発見力、問題解決能力)③人を巻き込む力(ファシリテーション能力、交渉力)などが該当します。

このスキルを磨いていける環境に身を置き、そのスキルを鍛えていくこと。それがVUCAな時代を生き残る上でのひとつのポイントになるという訳です。

データアナリストの業務

次に、データアナリストの業務を見てみましょう。下図をご覧ください。データアナリストの業務は、①課題定義、②要因仮説の考察、③データを用いた検証、④解決策の提示、⑤施策の振り返りに大別できるかと思います。図の右には、各プロセスで必要となるスキルの一例を挙げています。

データアナリストの業務とスキル例
データアナリストの業務とスキル例

これを見ていただければわかる通り、データアナリストの業務は課題発見力、仮説思考、論理的思考力、問題解決能力、人を巻き込む力といったものが大いに求められます。特に最初の4点については、データアナリストは「頭が沸騰するくらい」考えて仮説を立て、「泥臭く地道に」仮説を検証し、その分析結果をもとに「アウトカムに繋げる示唆」へと落とし込まなければなりません。

まさにデータアナリストの業務は課題の定義・検証・解決や意思決定者を巻き込むといったポータブルスキルを駆使するものです。さらに、日々の業務でそのイテレーションを何度も回すことで、それらのスキルが磨かれていきます。それはすなわち、VUCAな時代であっても生き残れる人材になることを意味します。これが、データアナリストの将来は暗くないと考える理由です。

しかし、一つだけ注意が必要です。先に、私は「データアナリストのどういう経験が今後も武器になるのかをしっかりと理解する必要」があると述べました。これは逆に言うと、今後武器になりにくそうな経験は何かを見極める必要もあることを意味しています。では、その武器になりにくそうな経験とは何なのでしょうか。

生き残るデータアナリストの条件

今後武器になりにくそうな経験――それは端的に言うと、一見専門的に見えるがさほど専門的ではないスキル。言い換えれば「なんちゃって専門スキル」です。

もしもあなたがデータアナリストという肩書として、SQLをたたいてデータを抽出・集計し、それをそのままカウンターパートに報告するだけの業務しかしていなかったとしたら。もしくは、これから就職・転職する先で、データアナリストとして求められる業務内容がそれだけであったとしたら。

これは個人の所見で、異論もあるでしょうが、私はその場合、キャリアの形成においては黄色信号が灯っていると考えます。SQLをたたいてデータを集計・分析し、レポートを作る能力。そういった一見すると「専門的スキル」に見える部分こそ、機械によって代替されやすい領域です。

専門的なスキルを磨き、その道のスペシャリストになることは素晴らしいことです。私の周囲にも、データアナリストからキャリアをはじめ、機械学習の知識を身につけ、現在ではデータサイエンティスト=Kagglerとして活躍されている方もいます。そこまで突き抜けられれば、専門的なスキルは代替不可能な非常に強力な武器になるでしょう。

しかしながら、なんちゃって専門スキルで満足することだけは避けた方がよいです。なんちゃって専門スキルしか求められない狭い意味でのデータアナリストは、今後淘汰されていく可能性があると私は考えています。もしくは、淘汰されるとまではいかないかもしれませんが、キャリアの形成上は大きな問題を抱えることになる可能性があると思います。

課題発見力、仮説思考、論理的思考力、問題解決能力、人を巻き込む力といった腐りにくく汎用性の高いスキルこそ、データアナリストというキャリアを通じて磨くものだと言えます。

先人の知恵を借り、巨人の肩に乗るべし

上記のスキルは、基本的に実践を通じて強化していくものです。しかし、基礎知識として体系化されたものもあり、それをさっさと学んでおくことは大切です。まさに、先人の知恵を借り、巨人の肩に乗るべきだと私は考えます。

以下、データアナリストとしてスキルを磨いていく上でオススメの書籍も紹介しておきますので、ぜひこれらも参考にしてみてください。