EDV vs TLT: 基準価格(株価)と分配金(配当)の比較

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はじめに EDV vs TLT

本記事では米国の超長期国債に投資する ETF、EDV と TLT を比較検討していきます。

基本情報: EDV vs TLT

前述の通り、本記事では米国の超長期国債に投資する ETF として以下2つを取り上げます。リンクをクリックすると、本ブログでまとめている各 ETF への詳細ページに遷移することができます。

以下、2024年4月17日現在でのそれぞれの ETF の基本情報を記載します。

項目 内容
名称 バンガード・超長期米国債ETF (EDV)
運用会社 バンガード社
ベンチマーク Bloomberg U.S. Treasury Stripes 20-30 Year Equity Index
経費率 0.06%
分配金(配当)の支払い頻度 四半期ごと (4, 7, 10, 12月)
項目 内容
名称 iシェアーズ 米国国債 20年超ETF (TLT)
運用会社 ブラックロック社
ベンチマーク ICE U.S. Treasury 20+ Years Bond Index
経費率 0.15%
分配金(配当)の支払い頻度 毎月

ともに超長期国債に投資する ETF ですが、ベンチマークとしている指数が異なります。EDV は Bloomberg U.S. Treasury Stripes 20-30 Year Equity Index、TLT は ICE U.S. Treasury 20+ Years Bond Index です。

大きな特徴としては、EDV がストリップス債 (ゼロクーポン債) を対象としているのに対し、TLT はそのような制限がない点が挙げられます。

経費率は EDV のほうが低いですが、TLT には毎月分配という魅力があります。分配金利回り (配当利回り) は日々刻刻と変化しますが、2024年4月17日時点では EDV のほうがやや高いようです。

デュレーション: EDV vs TLT

債券の価格変動に関連する重要な概念として「デュレーション」があります。SMBC日興証券のサイトにおいて、デュレーションは以下のように説明されています。

デュレーション(Duration)には2つの意味があります。1つは、債券投資における元本の平均回収期間を示すものです(単位は「年」)。将来受け取ることのできる利息や償還金(キャッシュフロー)の現在価値の合計を計算し、それぞれのキャッシュフローを受け取るまでの期間に、キャッシュフローの現在価値合計に占める割合を掛けて合計し、計算します。一般的に、クーポンが同じであれば、残存期間の長い債券ほどデュレーションは長くなります。同じ残存期間であれば、クーポンが低い債券ほどデュレーションが長くなります。
もう1つは、金利変動による債券価格の感応度を示す指標としての意味です。一般的に、金利変動に対する債券価格の変動率が大きくなるほど、デュレーションは大きくなります。

デュレーション│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

したがって、債券 ETF を見る際にはその ETF に含まれている債券のデュレーションの平均値をチェックすることが大切です。EDV と TLT の平均デュレーションは以下のようになっています。

銘柄コード 平均デュレーション
EDV 24.2年 (2024/03/31)
TLT 25.55年 (2024/04/15)

2024年4月17日時点においては、EDV よりも TLT のほうがややデュレーションが大きいと言えます。

なお、いずれも組み込まれている債券は米国債のみのため、信用格付けの点では差はありません。

基準価格 (株価) 比較: EDV vs TLT

つぎに、EDV と TLT の基準価格 (株価) を比較します。2007年12月からの基準価格 (株価) の推移を比較してみることにします。データの提供元は TradingView です。

青色の線が EDV、黄色の線が TLT です。これを見ると、基準価格 (株価) の値動きは EDV の方が大きいと言えます。2024年4月17日現在では米国債の利回りが高くなっているため基準価格 (株価) はかなり低い水準になっています。

EDV と TLT の基準価格 (株価) の推移

EDV と TLT の基準価格 (株価) の推移

分配金 (配当) の比較: EDV vs TLT

つづいて、EDV と TLT の分配金 (配当) の情報を比較します。まずは各 ETF の年次の分配金 (配当) の推移を見てみることにしましょう。

EDV の分配金 (配当) の推移

EDV の分配金 (配当) の推移

TLT の分配金 (配当) の推移

TLT の分配金 (配当) の推移

EDV は年によってはキャピタル・ゲインによる特別分配金が出ることがあり、その影響で分配金 (配当) が大きく伸びる年があります。それを除くと、分配金 (配当) の推移は現状、おおむね右肩下がりです。

TLT も EDV と同様、分配金 (配当) の推移はおおむね右肩下がりです。ただし、いずれも 2022年からは分配金 (配当) が伸びています。

つぎに、各 ETF の分配金 (配当) の増配率を比較して見ていきます。

EDV と TLT の増配率

EDV と TLT の増配率

最後に、各 ETF の分配金 (配当) の年平均成長率 (CAGR) を見ていきます。これは〇年間の分配金 (配当) の増配率の幾何平均を取ったもので、値が大きいほど平均的に分配金 (配当) の伸びが大きいことを示します。

2024年4月現在では、EDV は3年、5年、10いずれも年平均成長率 (CAGR) はマイナスです。TLT は短期ではプラス、中長期ではほぼ横ばいとなっています。

EDV と TLT の分配金 (配当) の年平均成長率 (CAGR)

EDV と TLT の分配金 (配当) の年平均成長率 (CAGR)

基準価格 (株価) と分配金 (配当) の最新情報: EDV vs TLT

上記の記述は、あくまで2024年4月76日時点でのデータをもとに書かれました。そのため、時が経てば古い情報になってしまいます。

そこで、以下では最新時点の基準価格 (株価) と分配金 (配当) の状況をグラフで表示します。最新の情報を知りたい方はこちらも参照ください。

 
 

その他

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