はじめにDVYとは?
DVY (iShares Select Dividend ETF)とは、ブラックロック社が提供している「上場投資信託 (ETF)」のひとつです。比較的高配当の米国株式で構成される指数と同等の投資成果を目指したものです。
日本語では「iシェアーズ 好配当株式ETF」と呼ばれます。Dow Jones US Select Dividend Total Retun Indexに連動する投資成果を目的としたETFです。
本記事では2024年3月23日時点のデータをもとに、このETFの基本情報や最新の状況について解説していきます。
DVYの基本情報
DVY (iShares Select Dividend ETF)とは、ブラックロック社が提供している「上場投資信託 (ETF)」のひとつです。比較的高配当の米国株式で構成される指数と同等の投資成果を目指したものです。
DVYはDow Jones US Indexのうち配当利回りの高い100銘柄で構成されます。REITは除外されています。DVYは配当加重によって保有銘柄の割合を決めています。
まずはDVYの基本情報を軽く見てみることにしましょう。ソースはブルームバーグのものを参照しています。なお、配当利回りのみ参照日時点ではSeeking Alphaのものを参照しています。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | iシェアーズ 好配当株式ETF (iShares Select Dividend ETF) |
運用会社 | ブラックロック社 |
市場 | NASDAQ GM |
ベンチマーク | Dow Jones US Select Dividend Total Retun Index |
資産総額 | 186.52億米ドル (2024/03/21) |
直近配当利回り | 3.69% (2024/03/22) |
設定日 | 2003/11/07 |
乖離率 | -0.02% |
経費率 | 0.38% |
DVYの基準価格の推移
DVYの年初来、過去5年間、設定来の基準価格(株価)の推移を見てみましょう。中長期で緩やかに基準価格が伸長していることが分かります。
なお、ソースはGoogleが提供している株価情報となっています。
DVYの年初来の基準価格推移
年初来で株価は+1.49%となっています。
DVYの過去5年間の基準価格推移
過去5年間で基準価格+22.38%となっています。
配当利回りの高めの企業が選定されていることと、銘柄の組み込み方式が配当加重の方法を取っていることもあり、基準価格の伸びはS&P500指数に連動しているVOOよりも緩やかです。
また、同じ高配当株ETFでありながらも、時価総額加重を用いているVYMと比較してもその伸びはゆるかやかであることが分かります。
DVYの分配金情報
DVYの分配金
DVYの2024年3月の分配金は前年同月比で0.7%減の0.997569米ドルでした。VYM や HDV と同様に高配当株ETFは今期減配になっています。
直近3年間の配当金の年平均成長率(CAGR)は8.10%。5年では6.33%、10年では7.21%となっています。
DVYの分配金利回り
次に、DVYの分配金利回りの情報についてまとめていきます。
DVYの分配金利回りは3.69% (2024/03/22時点。Seeking Alpha) となっています。分配金は順調に伸びていますが、基準価格の伸びが緩やかなため分配金利回りは過去基準でやや高めの水準になっています。
過去の基準価格で現在の分配金額を割ったYOC (Yield On Cost)は着実に伸びており、10年前にDVYを購入していればYOCは6.16%となっています。
DVYの増配率
DVYはリーマン・ショックやコロナ・ショックの時には減配していますが、それ以外の年ではは堅実に増配を行っています。
以下がDVYの増配率を表したグラフです。
一方、次のグラフはDVYの2023年の分配金の額に対して、過去の各年の分配金の額からの年平均成長率(CAGR)を求めたものです。
たとえば、2008年のところが3.0%となっていれば、2008年からは年平均で3.0%増配しているということを表します。
こちらのグラフを見ると、DVYは長期でも年平均で7~8%程度増配しているようです。この増配率はVIGのような増配当株ETFには及びませんが、VYMやHDVなど他の高配当株ETFと比べると高く、DVYは高配当だけでなく高い増配率も見込めるETFと言えそうです。
その他
VYMやHDV、VIGについても同様に情報をまとめています。ご参照ください。