YuRAN-HIKO

アナリスト兼、日曜歴史家のブログ。ゲーム分析や歴史のトピックが中心。

DAU, PUU, ARPU, ARPPU, 課金率をアプリゲーム分析の専門家が解説

はじめに 

このシリーズでは、アプリゲームのKPI (Key Performance Indicator: 重要業績評価指標) の基本を解説していきます。

本シリーズを通じて、アプリゲームのKPIのイロハについて持ち帰っていただけると嬉しいです。なお、本シリーズではダウンロード無料、アイテム課金制のゲームを対象にして話を進めていきます。

アプリゲームのKGI -売上-

KPIの話に入る前に、似たようで別の指標である KGI (Key Goal Indicator: 重要目標達成指標) について軽く触れたいと思います。KGI とは「目標 = Goal」の達成を図る指標です。普通は売上や利益になります。この数字が、最終的に追い求めるものになります。

ただし、KGIだけを見ていてもなかなかサービスの改善には至りません。KGIはあくまで目標の数字として置きつつも、その達成度合いを見る数字は別に設定する必要があります。それがKPIです。

KPIは、その数字を改善すれば自然とKGIの改善に繋がるようになっていることが重要です。その基本的な形として、KGIをいくつかの要素に分解するという方法が取られます。その一番基本的なやり方が、本記事で紹介するものです。

基本 KPI 1. -DAU, ARPU-

ここでは、いったんKGIを売上と置きましょう。売上を分解する方法はいくつかありますが、最も基本的なものは ユーザー数 x ユーザー単価 に分ける方法です。

アプリゲームでは日々の KPI を追うことが多いため、ユーザー数は 1日の利用者数、ユーザー単価は 1日の利用者数1人あたり売上 に分けられます。前者を DAU (ディーエーユー、ダウ: Daily Active Users)、後者を ARPU (エーアールピーユー、アープ: Average Revenue Per User) と呼びます。ARPUは、よりはっきりと日次の数字であることを示す場合に ARPDAU と呼んだりもします。 

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日次売上 = DAU x ARPDAU

一番シンプルで基本的なフレームワークではありますが、これらの指標もまだ直接目標とするには漠然としています。これらをさらに分解して指標化していくことが主流となります。

基本 KPI 2. -PUU, ARPPU- 

売上を分解するもう 1つの方法として、売上を課金者数 x 課金者1人あたりの顧客単価に分解するやり方があります。それぞれ PUU (ピーユーユー: Paid Unique User)、ARPPU (エーアールピーピーユー: Average Revenue Per Paid User) と呼びます。

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売上 = 課金者数 x 課金者の平均課金額

つまり、お金を払ってくれたユーザーの数と、その方々の平均課金額をかけることで、売上を出すという計算です。

基本プレイ無料のゲームでは必ずしもすべての遊んでくださるユーザーにお金を払っていただくビジネスモデルにはなっていないため、売上の分け方も上記のように2パターンできます。

基本 KPI 3. -課金率-

これまで、DAU, ARPU, PUU, ARPPU と 4つの KPI を見てきました。最後に、これらと関係の深い 課金率 という KPI について見ていきます。

課金率とは、日次で考えるならば、1日の利用者数のうち何人の方に課金してもらえたかを表す指標です。シンプルではありますが、その計算式は以下の通りになります。

課金率 = PUU ÷ DAU

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PUUをDAUと課金率に分解

この課金率という指標を用いるメリットとして、比較の容易さ が挙げられます。実数値である PUU は分母となる DAU の大小の影響を受けるため、プロダクト間の比較や、同じプロダクトの過去と現在の比較がやり辛くなる場合があります。そういった際、課金率という指標は DAU の大小に影響されない、プロダクトのマネタイズ力を見る指標の1つとして機能します。

細かいことを言えば、課金率は分母となる DAU のセグメント構成 (ヘビーなユーザーが多い、ライトなユーザーが多い) に影響を受けます。そのため、プロダクトのマネタイズ力をピュアに表現してはいません。

また、プロダクトの運営において重要なのは課金していただけたか否かという0 / 1 の指標ではなく、課金額の分布 である、といった考え方もあります。しかしながら、分かりやすく比較できる数字として、課金率が有効であることは間違いないでしょう。

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