ゲームの分析で用いられるFQ7とは何か?

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FQ7とは何か?

ゲームの分析や運営に関わった際、FQ7という言葉を聞いたことがある方も少なくないのではないだろうか?

ただしこの言葉、他の業界ではあまりメジャーではないせいかネットで検索してもあまりそれらしい答えがヒットしない。そこで今回はゲームの分析で用いられるちょっと変わった指標FQ7について、アプリゲームのデータアナリストとして長年分析に当たってきた筆者が解説をしたいと思う。なお、本記事は「連載 アプリゲームの基本 KPI を分析の専門家が解説 - YuRAN-HIKO」シリーズの一部として執筆している。

FQ7とは何か?

FQ7とはFrequency7の略称だ。Frequencyとは英語で「頻度」を意味する言葉。ゲームの分析においてFQ7とはユーザーのログインの頻度に関連するKPIのことを指す。

FQ7とはある日から遡って過去7日間に7日連続でログインしたユーザーの比率を表すKPIだ。

例えば5/16を起点とすると、5/10~5/16の期間のアクティブユーザーを全体とした際、5/10~5/16まで毎日ログインしたユーザーが何割存在するかを表す。

当然、この比率が高ければ高いほど毎日ログインしてくれているユーザーが多いことを意味する。アプリゲームの継続率とも密接に関連した指標だ。基本的には高いほどユーザーがゲームに定着している証拠であり、優れたパフォーマンスであると言える。

FQ7をどう見ればよいか?

上記のように、FQ7はユーザーの定着度合いを測るのに有用な指標だ。しかし、分析をする際にはFQ7ユーザーの翌日継続率を見ることが特に重要だ。

一般的にはゲームがリリースされたばかりの時は短期継続ユーザーが多いためこの数値は高くないが、運営が継続して長期継続ユーザーの比率が増えてくると一定の水準でこの値が推移するようになる。そのときの値がそのタイトルの定着度合いのパフォーマンスを示していると考えてよい。

重要なのはこの値の中長期のトレンドだ。簡易的には7日間平均、14日間平均、28日間平均などのトレンド線を引いて確認する。n日間平均でトレンドを確認する理由は、イベントなどの影響でこの値は基本的に波打つような推移を見せるからだ。トレンドを確認するとある時期を境にトレンドに上昇傾向が見られたり、下降傾向が見られたりする。

変化点が見られたら、その近辺でどういうアップデートが行われたのかを確認する。もしどこかのバージョンアップデートのタイミングでこの値に上昇傾向が見られた場合は、そのアップデートがユーザーの継続に有効に機能したと考えられる。逆に下降傾向にあった場合は継続導線の悪化などが考えられるかもしれない。

このように時系列の変化でゲームの継続性に影響が出たのかどうかを見る上で、このFQ7ユーザーの翌日継続率という指標は非常に有用だ。継続率を示す別の指標、RRでも同じような分析ができなくもないが、こちらは時系列での変化を捉え辛い弱点もある。ケースに応じて双方の指標を使い分けるのが良いと言えるだろう。

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