RR変化率とは?アプリゲーム分析の専門家が解説

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本記事は「連載 アプリゲームの基本 KPI を分析の専門家が解説 - YuRAN-HIKO」シリーズの第4回です。初めにお断りしておくと、今回扱う内容はこれまと比べて少し高度なものになります。

前回は RR について解説を行いましたが、今回はその RR をより詳細に観察した指標である RR 変化率というものを見ていきます。主な読者層としては、将来アプリゲームの業界で働きたいと思っている学生や、入社したてでこれから現場に入っていく新入社員の方などです。

基本 KPI 1. -RR変化率-

まずは RR 自体のおさらいです。RR とはある期間にアクセスしたユーザーが〇日後に再びアクセスした率を表すものでした。

必ずしも同一のユーザーの継続プレイを表しているものではないですが、 一般にマクロで観察したときのユーザーのプレイ継続率を表す指標として用いられているものでしたね。

では、今回見ていく RR 変化率とはどのような指標なのでしょうか。RR 変化率とは、RR の 1日ごとの変化を追っていったもので、〇-day RR とその翌日の RR の間にどれくらいの差があるのかを表しています。

例えば、1-day RR が 50%、2-day RR が 40% だった場合、1-day と 2-day の RR 変化率は 80% となります (40% ÷ 50% = 80%)。

RR が同一ユーザーの継続率を表しているわけではないため、この 80%という値も、1-day でログインしたユーザーの 80% が 2日目に再ログインしたことを必ずしも表しているわけではありません (1日目にはログインしなかったが、2日目にログインしたユーザーが 2-day RR にはカウントされているため)。

ですが、RR 同様、RR 変化率もマクロで見た際にはユーザーの継続率とほぼ同義に捉えられるため、現場ではよくユーザーの継続プレイや離脱を観察する際の指標としてよく用いられています。

 

RR 変化率の活用法 1. - 離脱ポイントの把握 -

上記のような性質を持っている RR 変化率ですが、現場での主な使われ方は 2つです。

1つ目は、ユーザーの継続プレイを把握するものとして。例えば何日目の RR 変化率が低いのかが分かれば、そのあたりにゲームの離脱要因があると考えることができますし、他タイトルと RR の変化率の推移を比較することによって、ゲームの初期 RR 向上が課題なのか、中長期の RR 改善が課題なのかなど、具体的にフォーカスする対象を絞っていくことができます。

また、曜日ごとの RR の変化率を追うことで、何曜日に継続の谷 (= 継続率が落ちているポイント) が来ているのかを把握することができます。例えば休祝日に人が来なくなるのか、休み明けの月曜日に人が来なくなるのかなどを把握することで、その課題を解決する具体的な施策へと落とし込んでいくことができますね。

RR 変化率の活用法 2.  - 継続プレイの定義付け -

RR 変化率のもう 1つの活用法として、何日までゲームを継続すればそのユーザーを「継続ユーザー」として見なしうるかを把握する指標というとらえ方があります。

一般的に、インストールから日がたつにつれて、徐々に継続率の高いユーザーのみが残っていくことになり、それに伴って RR 変化率は徐々に 100% 前後の漸近線に向かって収束していきます。

ゲームによって、どの程度まで日数がたてばおおむね収束したと判断できるラインに達するかが異なるため、タイトルごとにこの RR 変化率の収束度合いを見て、継続ユーザーの定義を インストール 7 日後とか 10日後とかに設定していきます。

これによって定義された「継続ユーザー」という指標は、新規 / 継続 / 離脱 / 復帰 といったセグメント分けに用いたり、とあるコンテンツのユーザー規模をとらえる際に、継続ユーザーに限定して集計を行いたい場合などに活用することができます。いずれもゲームの現状をとらえるうえでは非常に重要なセグメント区分なので、そのセグメント分解規準の根拠を提供するものとしても、RR 変化率は用いられているのです。

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